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[P-17-2] 回収可能型下大静脈フィルターの右性腺静脈誤留置例の検討
キーワード:vena cava filter, misplacement
右性腺静脈(GV)は解剖学的に下大静脈(IVCF)に沿って走行するタイプが少なからず存在し,下大静脈フィルター留置(IVCF)時には注意が必要である。今回回収可能型IVCFを右GVに誤留置した2例を経験したので文献的考察を加えて報告する。症例1:50代,男性。糖尿病性腎症のため透析中脳出血で入院中,右総大腿静脈からIVCに浮遊血栓を認めたためIVCF留置術を施行。右頸静脈経由のIVC造影で壁在血栓をIVCに認めたが分枝への誤挿入はなかった。Guntherフィルターの留置を試みたが,展開せず,造影剤の血管外漏出像を認めた。CTで右GVに留置されていることが判明。マイクロスネアでフック部分を把持し回収し,再度留置し直すことが出来た。出血の持続など合併症は認めなかった。症例2:20代,男性。多発外傷による長期臥床中,右大腿静脈からIVCに浮遊血栓を認めた。右頸静脈経由で一時的IVCFを留置し,血栓溶解療法では血栓の消失を認めず,回収可能型IVCF(OptEase)に交換することとした。ガイドワイヤー挿入下にシースに交換,OptEaseを留置したが,展開しなかった。IVC造影でOptEaseは壁に接するよう未展開のまま位置し,頭側より慎重に挿入したマイクロカテーテルから造影すると右GVであることが判明。GVへの長期留置は血管損傷などの危険があると考え抜去としたが,OptEaseは回収機構が尾側にしかなく,逸脱防止用のバーブがあるため,スネアで頭側全体を把持し,シースを押し当てて出来るだけ展開しないような状況で慎重に引きだし,その後再度ループスネアテクニックでIVC内に留置出来た。