第55回日本脈管学会総会

講演情報

一般演題(ポスター)

静脈3

2014年10月31日(金) 14:22 〜 14:58 第6会場 (第1練習室)

座長: 八巻隆(東京女子医科大学 形成外科学)

14:22 〜 14:58

[P-17-6] 坦癌患者におけるカテーテル留置時の頸静脈血栓についての検討

原文彦1, 原田昌彦2, 五十嵐裕美1, 八鍬恒芳2, 丸山憲一2, 桝谷直司2, 宮坂匠2, 池田隆徳1 (1.東邦大学 循環器内科, 2.東邦大学医療センター大森病院臨床生理機能検査部)

キーワード:Vascular echo, CV catheter

【目的】近年,化学療法に伴って,長期間にわたるカテーテルやポート留置を行う機会が増えている。悪性疾患の存在自体が血栓形成の誘因といわれているが,長期間のカテーテル留置も血栓形成をひきおこす可能性があるとともに,カテーテル抜去に伴って遊離した血栓が致命的な肺血栓塞栓症を誘発することもありうる。今回,坦癌患者のカテーテル留置症例における血栓形成の影響について検討を行った。【対象・方法】対象は2013年1月から12月にかけて,担癌患者で内頚静脈カテーテルを留置している患者で初回の頸部血管エコーを施行した26例を対象とし,凝固線溶系マーカーや血栓の有無,性状について検討を行った。対象の平均年齢は64±13歳,男性15例,女性11例であった。【結果】対象症例のうち,7例に頸静脈血栓を認め(T群),19例には血栓を認めなかった。(N群)T群とN群では,年齢・Dダイマー,FDP,CRP,性別において有意な差を認めなかった。T群での血栓の性状は,低輝度で新鮮血栓と考えられるものはなく,全例が高輝度で時間が経過した血栓と考えられた。【まとめ】今回の検討においては,カテーテル留置症例での凝固線溶系マーカーは,易血栓形成の指標となりづらいということが示唆された。また,今回認めた血栓の性状からは,形成されてから時間が経過しているものが多いと考えられ,定期的な血管エコー検査により血栓の早期発見・治療に努めることが重要であると考えられた。