第55回日本脈管学会総会

講演情報

一般演題(ポスター)

静脈4

2014年10月31日(金) 14:58 〜 15:28 第6会場 (第1練習室)

座長: 大澤晋(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 心臓血管外科)

14:58 〜 15:28

[P-18-5] 遺伝性多発性腎嚢胞(ADPKD)の術後に発症したDVT・PEの1例

田中宏和1, 野口康久1, 小畑貴司1, 四方裕夫1, 田中達朗2, 宮澤克人2, 藤林幸輔3, 梶波康二3 (1.金沢医科大学病院 血管外科, 2.金沢医科大学 泌尿器科, 3.金沢医科大学 循環器内科)

キーワード:ADPKD, PE

【症例】57歳男性。【家族歴】父親が同じくADPKDで血液透析となり,57歳時クモ膜下出血で死亡。【現病歴】約28年前に紹介前医で多発性腎嚢胞と診断され同院で継続加療となっていた。その後徐々に腎機能が低下して約10年前に透析導入。1年前より度重なる感染のために数回の感染嚢胞のドレナージが行われた。両側腎嚢胞の摘出を泌尿器科と血管外科合同手術で行った。集中治療室入室術後2日目に体位変換直後に,急激な血圧低下,意識消失,呼吸停止,心停止となった。緊急CECTで右肺動脈主幹部・左下肺動脈に血栓,血管の途絶所見を認め肺血栓塞栓症と判断した。PCPS装着し,低酸素血症,ショックから離脱し,血栓溶解療法を開始した。術後5日目にPCPS抜去,術後7日目に抜管,その後強力な抗凝固療法のためか術後10日目にドレーンからの出血と貧血進行を認めてCT施行。後腹膜に被包化血腫と,後腹膜への動脈性出血を来し,術後11日目に再開腹止血術を行った。その後状態は安定し抗凝固療法継続し術後62日目に独歩退院となった。