第55回日本脈管学会総会

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一般演題(ポスター)

動脈瘤2

Thu. Oct 30, 2014 4:02 PM - 4:32 PM 第6会場 (第1練習室)

座長: 新見正則(帝京大学医学部医学科 臨床医学講座・診療科外科学講座)

4:02 PM - 4:32 PM

[P-2-2] 経皮的冠動脈インターベンション後に発症した仮性橈骨動脈瘤の1手術例

岡村賢一, 森住誠, 河田光弘, 末松義弘 (筑波記念病院 心臓血管外科)

Keywords:CAG PCI, radial artery pseudoaneurysm

【背景】心臓カテーテル検査(CAG)および経皮的冠動脈インターベンション(PCI)における橈骨動脈アプローチは,大腿動脈アプローチに比べ出血や穿刺部合併症を有意に軽減し早期歩行に寄与する為,広く行われている。今回我々は,PCI施行後2週間より急速増大した仮性橈骨動脈瘤の1手術例を経験したので報告する。【症例】68歳,女性。【現病歴】10ヶ月前に急性心筋梗塞・心室中隔穿孔にてPCI(左橈骨動脈アプローチ)および心室中隔穿孔閉鎖術を受けた。7ヶ月前のfollow-up CAG(右橈骨動脈アプローチ)にて#2と#7に25~50%狭窄を認めたが保存的に経過をみていた。2ヶ月前に急性冠症候群による急性心不全で緊急CAG施行され,#7 90%に対しPCI施行(右橈骨動脈アプローチ),第11病日に退院となった。その後2週間は無症状で経過したが,2週間前より右橈骨動脈穿刺部の腫脹を認め,急速増大あるため当院受診し緊急入院となった。【経過】血管エコーにて右仮性橈骨動脈瘤と診断,また右尺骨動脈に狭窄がないことを確認した。Allenテスト陰性にて同日緊急右橈骨動脈瘤切除術を施行した。術前からのaspirin100mg,clopidogrel75mg,rivaroxaban15mg内服は1PODより一旦休薬,経過良好にて3PODに独歩退院した。尚,4PODよりclopidogrel75mgのみ再開している。【結語】CAG/PCI後の合併症としての仮性橈骨動脈瘤の発生率は0.03%と極めて稀である。適切な圧迫止血が一番の予防法とされ,抗血小板薬内服継続のままの処置は遅発性仮性瘤のリスクとされる。本症例は,抗血小板薬3剤内服継続のままのPCIが原因であった可能性はあるが,血管エコー・Allenテストより治療法として手術を選択し適切に治療し得た。