第55回日本脈管学会総会

講演情報

一般演題(ポスター)

動脈瘤2

2014年10月30日(木) 16:02 〜 16:32 第6会場 (第1練習室)

座長: 新見正則(帝京大学医学部医学科 臨床医学講座・診療科外科学講座)

16:02 〜 16:32

[P-2-5] 右前脛骨動脈瘤に対しての一手術症例

工藤雅文, 吉田雄一, 瀧智史, 長阪重雄, 横山晋也, 金田幸三, 西脇登 (近畿大学 医学部 奈良病院 心臓血管外科)

キーワード:JIN, KUN

【はじめに】末梢血管病変の中でも前脛骨動脈瘤は比較的稀である。今回,無症状で経過した右前脛骨動脈瘤の症例を経験した。【症例】77歳,女性。1ヶ月前に右下肢前面に腫瘤を触知することに気付いた。外傷の既往なく,疼痛も無かった。CTで最大短径が約20mmの右前脛骨動脈瘤と診断された。CTでは同肢の後脛骨動脈は開存していた。【手術】仰臥位,脛骨外側アプローチで手術を行った。前方コンパートメントに侵入し,前脛骨筋と長趾伸筋・長母趾伸筋の間を剥離し,瘤に到達した。瘤周囲はやや炎症性変化を呈していた。瘤の中枢と末梢を確保し瘤を切除した。さらに,前脛骨動脈瘤の中枢側と末梢側を結紮し手術を終了した。【まとめ】外傷の既往,血管炎やvon Recklinghausen病等の基礎疾患もなく,特発性に前脛骨動脈瘤を生じる例は稀である。術式の選択を含めた文献的考察を加えて報告する。