第55回日本脈管学会総会

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一般演題(ポスター)

感染その他

Fri. Oct 31, 2014 1:40 PM - 2:28 PM 第6会場 (第1練習室)

座長: 小泉信達(東京医科大学 心臓血管外科)

1:40 PM - 2:28 PM

[P-20-5] 多発性感染性胸部大動脈瘤が破裂した大動脈炎症候群の一剖検例

神谷健太郎1, 吉田幸代1, 岡田大樹2, 木村光裕1, 本田義博1, 榊原賢士1, 葛仁猛1, 加賀重亜喜1, 荒木拓次2, 鈴木章司1 (1.山梨大学 第二外科, 2.山梨大学 放射線科)

Keywords:aortitis syndrom, thorasic aortic anurysm

【症例】74歳男性。【既往歴】大動脈炎症候群(13歳時に脳梗塞発症。ステロイド加療はされていない)。CKA+HD(73歳時導入)。【現病歴】2013年12月,数日前より胸背部違和感あり。HD時に胸背部痛強くなった。前医でのCT上,左胸腔内に大量胸水,胸部大動脈弓部から下行にかけての高度石灰化と多発性嚢状胸部大動脈瘤と同部からの出血が疑われたため当院緊急搬送となった。【入院後治療経過】多発性嚢状胸部大動脈瘤の左胸腔への破裂と診断,緊急手術適応とした。しかし,救急外来でショック状態となり,緊急挿管となった。術前ショック状態,弓部から下行大動脈までの高度石灰化のため吻合困難のため,同日緊急胸部ステントグラフト(cTAG)を施行した。ステントグラフトは高度石灰化した胸部弓部下行大動脈全体をカバーしたが,type1a endoleakが極少量残存した。ICU帰室数時間後より,繰り返し血行動態不安定,呼吸状態悪化した。大量輸血など加療継続したが,術後3日目に永眠された。【剖検】RtBCA周囲より下行大動脈まで高度石灰化,両側腸骨動脈領域まで部分的に石灰化は続いていた。部分的にUAP様の変化があった。下行大動脈は石灰化のためやや狭窄気味であった。多発性の胸部大動脈瘤を認め,その動脈瘤は感染性と診断された。出血源は胸部弓部遠位の動脈瘤と考えられた。ステントグラフトは胸部大動脈全体をカバー,全周性の石灰化のため,フィッティングが悪い印象はあった。大動脈炎症候群による高度石灰化,感染性胸部大動脈瘤破裂,左胸腔内大量出血による死亡と考えられた。