第55回日本脈管学会総会

Presentation information

一般演題(ポスター)

感染その他

Fri. Oct 31, 2014 1:40 PM - 2:28 PM 第6会場 (第1練習室)

座長: 小泉信達(東京医科大学 心臓血管外科)

1:40 PM - 2:28 PM

[P-20-6] 破裂性腹部大動脈瘤並びに腸骨動脈瘤に対するステントグラフト治療において経皮的穿刺を行いアンジオシールで止血した13例

西村潤一1, 長谷聡一郎1, 山崎元成1, 岩村弘志1, 山本晋2, 笹栗志朗2 (1.川崎幸病院 放射線IVR科, 2.川崎幸病院 心臓血管外科)

Keywords:ruptured, aneurysm

破裂性腹部大動脈瘤並びに腸骨動脈瘤に対するステントグラフト治療(r-EVAR)において,腹部コンパートメント症候群(ACS)の発症を抑えることが救命率向上において重要であることはよく知られている。ACSを陥ることを避けるためには,血圧管理や輸液管理,ヘパリン化の時間を極力短くするなどの様々な工夫が行われている。一方,当施設では,14Fr以下のデリバリーシステムで済むEVARの場合は極力を経皮的穿刺で行っている。特にr-EVARにおいて,経皮的穿刺で速やかな大動脈,腸骨動脈のバルーン遮断を確保し,バイタルを安定させることが可能となる。また,その後止血デバイスで止血できれば,手術時間の短縮,強いてはヘパリン化を最低限にすることが出来る。2012年4月より2014年5月の間に破裂性腹部大動脈瘤25例,破裂性腸骨動脈瘤7例のr-EVARを行っているが,この32例中13例でステントグラフトのアクセス経路を経皮的穿刺により確保し,穿刺部1カ所につき8Frアンジオシール1本を用い止血を行った。13例中12例について,経皮的穿刺を行ったアクセスルートについては完全な止血が得られた。残りの1例で,アンジオシールによる止血が不完全であったため,経皮的穿刺を行った大腿動脈を外科的に確保しなおした。死亡退院は13例中3例(手術死2例,在院死1例)であった。ACSに陥った症例は13例中4例でそのうち2例が手術関連死となっている。経皮的穿刺並びにアンジオシールによる止血は破裂性腹部大動脈瘤並びに腸骨動脈瘤において,止血失敗の危険性はあるものの,ほとんど場合問題なく手技を完了することが出来る。