画像診断

[P-22-2] 腹部大動脈瘤ステントグラフト留置術後経過観察における超音波検査でのエンドリークの計測値とCTでの瘤拡大有無の検討

^〇本部弘美¹, 近沢元太², 有高進悟¹, 住友泉¹, 福田秀一郎¹, 有高雅美¹, 中川小百合¹, 河田順子¹, 永禮裕子¹, 玉木俊治¹, 片岡加那子¹, 左古田悦子¹, 奥井里果¹, 土岐美沙子¹, 平岡有努³, 石田敦久², 吉鷹秀範³ (1.心臓病センター 榊原病院 臨床検査科, 2.心臓病センター 榊原病院 末梢血管外科, 3.心臓病センター 榊原病院 心臓血管外科)

Keywords:kob, kur

【目的】腹部大動脈瘤ステントグラフト留置術後経過観察中の超音波検査でエンドリークを検出した症例において，エンドリーク血流の計測値とCTでの瘤径拡大の有無について検討した。【対象】2013年9月から2014年6月に経過観察中に超音波検査を施行した169件のうち，エンドリークを検出し得た57例を対象とした。【方法】超音波検査でエンドリークの収縮期最高血流速度(PSV)・血流量・流入口径を計測し，CTで瘤径拡大を認めた21例(A群)と認めなかった36例(B群)に分類し比較検討した。【結果】PSVはA群で98.8±58.9cm/s，B群で44.9±27.2cm/sと有意差を認めた(p＜0.001)。血流量と流入口径はそれぞれA群で82.5±61.6ml/minと2.3±0.62mm，B群で50.6±46.0ml/minと2.3±0.84mmとなり，有意差は認めなかった。対象の57例のPSV値で作成したROC曲線より求めたカットオフ値は57.7cm/sであった(感度75％，特異度73％)。また，A群では20例がtype2エンドリークであり，そのうち14例がto and fro波形で流入波形のみのものよりもPSVが速い傾向にあった。【考察】検討前では血流量が多ければ瘤径が拡大すると予想したが，実際は拡大の有無で差はなかった。これは，流入する血管が細いため充分な画像として描出できていなかったり，角度調整が不十分などで正確に計測するのが困難であったためと思われる。よって，今回の検討では血流量での判定は困難だと思われた。また，to and fro波形が見られた場合，瘤拡大を念頭に置いての経過観察が必要と思われる。【結語】超音波検査でのエンドリークのPSVの計測は瘤径拡大の指標として有用と思われ，PSVが60cm/s程度以上あれば瘤径が拡大する可能性が高いと思われる。