第55回日本脈管学会総会

Presentation information

一般演題(ポスター)

画像診断

Fri. Oct 31, 2014 1:10 PM - 1:34 PM 第7会場 (第2練習室)

座長: 加地辰美(防衛医科大学校 放射線医学講座)

1:10 PM - 1:34 PM

[P-22-3] 腹部大動脈瘤ステントグラフト内挿術後の経過観察における超音波検査の有用性の検討

松下友美1, 新本春夫2, 乗松東吾2, 鈴木寿仁1, 船木華子1, 小川詩織1, 小林彩香1 (1.公益財団法人日本心臓血圧研究振興会付属 榊原記念病院 臨床検査科, 2.公益財団法人日本心臓血圧研究振興会付属 榊原記念病院 末梢血管外科)

Keywords:EVAR, US

【目的】腹部大動脈瘤(AAA)に対するステントグラフト内挿術(EVAR)後の経過観察には一般的に造影CT検査が推奨されているが,腎機能障害やアレルギー等のために造影剤が使用できない場合,超音波検査での評価が重要となる。EVAR後の評価に超音波検査が有用であった症例を報告する。【症例1】77歳,男性。2011年1月22日最大瘤径57mmのAAAに対してEVAR施行。造影CT検査ではType1のエンドリークを疑われたが瘤径59mmと拡大は認めなかった。超音波検査でも瘤径57mmであったがType2のエンドリークが疑われた。エンドリークが描出された部位はCT検査と超音波検査でほぼ同じ部位であったが,超音波検査では血流方向によりType2であると判断した。【症例2】88歳,女性。2010年8月20日最大瘤径37mmのAAAに対してEVAR施行。Cr 1.67mg/dlのため単純CT検査を行い,瘤径39mmと明らかな拡大は認めなかった。超音波検査でも瘤径38mmであったがType2およびType3のエンドリークが疑われた。造影CT検査によるエンドリークの評価はできなかったが,超音波検査での評価は可能であった。【症例3】86歳,男性。2011年10月28日最大瘤径54mmのAAAに対してEVAR施行。Cr 1.65mg/dlのため単純CT検査を行い,瘤径62mmの拡大を認めた。超音波検査でも瘤径63mmであったが明らかなエンドリークを認めなかった。瘤内腔は液体が貯留し,グラフト周囲に血栓が付着している像が描出された。【考察】EVAR後の超音波検査は瘤径および瘤内腔状況の評価が可能であり,エンドリークが描出されればその血流方向を確認することができることから,EVAR後の経過観察に有用なモダリティの1つであると考える。