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[P-22-4] 当院での鎖骨下動脈盗血現象/症候群の画像診断の工夫
Keywords:Subclavian Steal Syndrome, Subclavian Steal Phenomenon
【はじめに】鎖骨下動脈盗血現象/症候群(SSP/SSS)の画像診断は,頸部血管MRAでの椎骨動脈の像欠損,3DCTAでの椎骨動脈の描出,血管撮影での椎骨動脈の逆流の確認である。造影及び複数のモダリティが必要で煩雑である。当院でのSSP/SSS画像診断の工夫について報告する。【方法】1.脳血管MRAにて病側椎骨動脈足側の信号低下を以て,SSP/SSSを疑う。2.頸部血管MRAにて病側椎骨動脈の像欠損の確認。続いて足側にサチレーションを置き(Reverse SAT法),病側椎骨動脈の逆流の確認。【結果】ふらつき,失神を主訴とした患者の内3名,脳ドッグ患者1名で上記方法にてSSP/SSSを疑い,全例に造影検査にて鎖骨下動脈の閉塞及び高度狭窄を確認した。【考察】鎖骨下動脈盗血症候群は,病側上肢の痺れ,脱力や椎骨脳底動脈循環不全によるふらつき,失神で出現する。脳卒中等の除外診断のため,頭部MRI及び脳血管MRAが行われる。脳血管MRA単独でSSP/SSSを疑う指標があれば有用である。通常,脳血管MRAではVolume外の頭側にサチレーションを置き,頭側から侵入するアーチファクト(静脈等の逆流)を除去している。しかし,椎骨動脈の逆流はVolume内であり,サチレーションパルスを受けていない血流であるため,除去されない。つまり,脳血管MRAでの病側椎骨動脈足側の信号低下は椎骨動脈の逆流を示す。さらに頸部血管MRA Reverse SAT法にて椎骨動脈の逆流が確認可能であった。【結語】脳血管MRAにて椎骨動脈足側の信号低下及びReverse SAT法はSSP/SSSの診断に有効である。