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[P-23-2] 異時性に発症した両側膝窩動脈捕捉症候群の一例
キーワード:metachronous, bilateral
異時性に発症した両側膝窩動脈捕捉症候群に対し,左右異なる術式で手術を施行した一例を経験したので報告する。症例は16歳,男性。14歳時にI型右膝窩動脈捕捉症候群と診断された。手術は右腓腹筋内側頭切離術及び右膝窩動脈内血栓を伴う内膜肥厚による狭窄に対して血栓除去及び内膜摘除を試みたが狭窄を解除できず,自家大伏在静脈グラフトを用いた右膝窩動脈置換術を施行した。術後は外来で加療継続中であったが,左下肢虚血症状が出現した。造影CT及びMRIで腓腹筋内側頭が左膝窩動脈の外側を走行しており,同部で左膝窩動脈の圧排による狭窄を認め,I型左膝窩動脈捕捉症候群と診断した。手術適応と判断し,手術を施行した。手術は左腓腹筋内側頭切離術を施行した。左膝窩動脈に器質的変化は認めず,左腓腹筋内側頭切離のみで左膝窩動脈の狭窄は解除され,下肢血流の改善が得られた。初回の術後より右膝窩動脈バイパスのグラフト内に血栓形成を認めるため,抗凝固療法と抗血小板療法を行い,現在外来で加療継続中である。