第55回日本脈管学会総会

講演情報

一般演題(ポスター)

PAD2

2014年10月31日(金) 14:10 〜 14:52 第7会場 (第2練習室)

座長: 古谷彰(山口労災病院 循環器外科)

14:10 〜 14:52

[P-24-7] 片側外腸骨動脈狭窄病変に対してdirect stenting施行時にstent遠位よりmassiveなplaque shiftを起こした一例

寒川悦次, 堺幸正, 山本恵理, 城後篤志, 濱本晋一, 山本晃, 竹下徹, 西田典史, 松岡利幸, 三木幸雄 (大阪市立大学大学院医学研究科 放射線診断学・IVR学)

キーワード:plaque shift, ASO

症例は66歳女性,主訴は左側間欠性跛行。既往歴に6年前に上行大動脈瘤および胸腹部大動脈瘤に対して上行弓部置換術および下行置換術が施行されている。動脈硬化リスクファクターは高血圧である。ABIは右側1.12/左側0.66であり,造影CTAでは左外腸骨動脈の4cm長の90~99%狭窄認め,TASC2分類でB病変と判断し,血管内治療の方針とした。この症例に対して8mm径8cm長のself-expandable stentにてdirect stenting施行,PTA balloonにて後拡張を施行。狭窄部遠位をPTA施行時に疼痛の訴えがあり,軽度のくびれが残存も手技終了したが,その後のDSAおよびIVUSにてstent遠位端部より遠位外腸骨動脈内に突出するmassiveなplaqueを確認した。同部に7mm径4cm長のself-expandable stentを追加留置,後拡張を施行し,良好な内腔拡張を得ることができ,遠位塞栓はなかった。術後ABIは右側1.19/左側1.08と改善し症状は完全に消失した。massiveなplaque shiftについて若干の文献的考察を含めて報告する。