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[P-25-5] 責任血管である右冠動脈が高度に屈曲していたためPCIに難渋したAMIの2症例
キーワード:AMI, stent
Bare metal stent(BMS)に比しdrug eluting stent(DES)は通過性,追随性等に問題があったが,今日第二世代といわれるDESはBMSと遜色ない性能に進化している。一方,症例によっては冠動脈が極端に屈曲,またはループ状になった部位に狭窄を認める症例があり,stentによる治療戦略に難渋することも散見される。今回,我々は右冠動脈(RCA)を責任血管とする急性心筋梗塞(AMI)において病変部位がループ状に高度屈曲を呈したため治療に難渋した2例を経験したので報告する。症例1は69歳男性,RCA#2を責任血管とし血栓吸引カテーテルが通過しないためballooningを先行したところ病変部位はループ状を呈していた。#1も高度屈曲しているため通過性を考慮してBMSであるtsunami stentを選択した。通過に成功したがループ状の血管のため同部位でflow reductionを呈しIABP挿入し手技終了とした。第3病日に同部位で亜急性冠閉塞を来したが再度PCIは困難と判断しCABGに移行となった。症例2は84歳男性,RCA#2を責任血管とし血栓吸引カテーテルが通過しないためballooningを先行したところ病変部位はループ状を呈していた。本症例は病変手前の#1が屈曲していないこと,balloonの通過がスムースであったことからDESの選択可能と判断しresolute integrity stentを選択したところ通過に成功。flow reductionもなく手技終了となった。高度屈曲を呈した冠動脈病変に対してのPCIは,冠動脈の形態,性状,患者背景を考慮して治療方法を検討する必要があると思われた。