第55回日本脈管学会総会

講演情報

一般演題(ポスター)

EVAR4

2014年10月31日(金) 13:46 〜 14:28 第8会場 (2Fロビー)

座長: 荻野秀光(湘南鎌倉総合病院 外科)

13:46 〜 14:28

[P-29-6] AAA自作ステントグラフト治療後13年目に生じたfabric tear からのendoleakに対し企業性ステントグラフトにて治療し得た一例

山本恵里1, 堺幸正1, 寒川悦次1, 南郷峰善2, ちょう寿幸3, 城後篤志1, 濱本晋一1, 山本晃1, 竹下徹1, 西田典史1, 松岡利幸1, 三木幸雄1 (1.大阪市立大学 放射線診断学・IVR学, 2.淀川キリスト教病院 放射線科, 3.地域医療機能推進機構大阪病院 放射線科)

キーワード:endoleak, fabric tear

【症例】72歳男性,2001年,55mm径AAAに対し腎動脈下大動脈から右外腸骨動脈にI型自作ステントグラフト(SG)留置,左総腸骨動脈にオクルーダー留置し,左右F-F bypassによる治療施行。術後経過良好にて瘤は30mmまで縮小していた。2009年ごろからtype II endoleak(EL)を認めていたが,瘤径増大なく経過観察されていた。2014年3月のCTにて瘤が40mmまで急速増大認め,造影CTではSGに接してはっきりとしたELが見られtype III ELが疑われた。血管造影にてSG内造影したところ,瘤内にジェット上に吹き上がる造影剤を認めfabric tearによるtype III ELと診断した。この時点でI型SGは瘤下端で90度に屈曲していたがグラフト固定無しの内骨格SGであったため,造影剤の通過は良好であった。【治療経過】治療戦略としてはtype III EL部をカバーするようにSGを留置し,その他の部位での劣化と瘤内でのSG屈曲による閉塞予防のため,自作SG全体の内側をフルカバーすることとした。全身麻酔科にて右大腿動脈よりアプローチ,尾側より屈曲の頭側までエクスクルーダーレッグ2本を,引き続き頭側にエンデュラントイリアックエクステンションとアオルティックエクステンションを順次留置した。これによりtype III ELは消失,瘤尾側の屈虚も解除され,経過良好である。【結語】今回,自作SG長期経過後のfabric tearと高度屈曲に対し企業性SGを組み合わせて留置することにより治療可能となった1例を経験したので若干の考察を加えて報告する。