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[P-4-5] 末梢保護デバイス下における頸動脈ステント留置術後のMRI拡散強調画像(DWI)陽性の臨床的意義について
キーワード:CAS, CVD
【背景】末梢保護デバイス下の頸動脈ステント留置術(CAS)は脳梗塞(CI)の加療として確立しているが,CAS後のMRI拡散強調画像(DWI)陽性の臨床的意義については不明である。【目的】我々はCAS後DWI陽性症例の中長期的成績について検討した。【対象と方法】末梢保護デバイス下にCASを施行した連続77症例をCAS直後MRI施行し,DWI陽性27例と陰性50例に分けて比較対照し,primary endpoint(脳血管死亡,脳血管事故)およびsecondary endpoint(無症候性CI,慢性期ステント再狭窄(血管エコー上収縮期最大血流速度200msec以上))について比較検討した。【結果】両群の平均観察期間は1264日であった。Primary endopointはDWI陽性群でのみ脳血管死亡3.7%であった。secondary endpointに関しては無症候性CIはDWI陽性群7.4%,陰性群で8%,血管エコー上の再狭窄はDWI陽性群10.6%,陰性群で0%であった。【結語】CAS後のMRI拡散強調画像(DWI)陽性例の中長期的予後は,陰性例と比較して,再狭窄率に関しては,DWI陽性群で有意に低かったが,脳血管死亡,および症候性,無症候性CIの発生率に関して明らかな有意差は認められなかった。今後更なる長期的検討が必要と考えられる。