第55回日本脈管学会総会

講演情報

一般演題(ポスター)

動脈硬化2

2014年10月30日(木) 17:08 〜 17:44 第6会場 (第1練習室)

座長: 土田博光(誠潤会水戸病院 心臓血管外科)

17:08 〜 17:44

[P-4-6] 突然の意識障害にて発症した両側視床梗塞に対してrt-PAが著効した1例

出雲明彦1, 鮎川勝彦1, 山田哲久1, 中村憲道2 (1.飯塚病院 救命救急センター, 2.飯塚病院 神経内科)

キーワード:stroke, rt-PA

【はじめに】意識障害の鑑別には様々な病態があり,一般的には代謝性疾患と脳幹などの器質的な障害が鑑別にあがる。今回,急性の意識障害にて発症した両側視床梗塞に対して静注アルテプラーゼ(rt-PA)が著効した症例を経験したので報告する。【症例】61歳,女性。【現病歴】来院の1時間前に職場で倒れているところを発見された。発見時はいびき様の呼吸であり,呼び掛けても開眼はなかったため救急要請,当院ERへ搬送となった。意識状態はJCSIII-200,頭部CTで異常所見なく,脳幹梗塞を疑い頭部MRI施行したところ両側視床梗塞と判明した。最終安否の確認から3時間半の経過であったためrt-PAの適応の急性期両側視床梗塞と判断し,直ちに治療を開始した。rt-PA投与開始前はNIHSS(National Institute of Health Stroke Scale)33点であったが,投与終了時には29点とやや改善を認めた。入院日の夜間にJCSI-2程度まで意識レベルは改善した。現在,垂直注視がやや困難ではあること,日付,年齢の誤りが時折見られるが,概ね意思疎通は良好である。リハビリ加療を継続している。【考察】両側視床梗塞は,突然の意識障害を来たす疾患の鑑別診断の一つにあげる必要がある。迅速な診断によりrt-PA治療が著効した1例を若干の文献的考察を含め報告する。