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[P-7-6] 血栓除去を施行せず救肢可能であった下肢急性動脈閉塞の2例
Keywords:acute limb ischemia, MNMS
【はじめに】Golden timeを過ぎMNMS(myonephropathic metabolic syndrome)の発症が危惧された下肢急性動脈閉塞に対して,血栓除去術を施行せず薬物療法を行った後に待機的血行再建を行う事で救肢が得られた症例を経験したので呈示する。【症例】症例1は69歳男性。急激な左下肢痛で近医を受診,その後急性動脈閉塞と診断され発症から10時間以上経過し当院救急搬送。左浅大腿動脈以下の閉塞を認め採血上のKは5.3と軽度上昇,既に下肢感覚障害も起きていた。血栓除去術を行った場合のMNMS発症の可能性も高く,本人と相談の上で血栓除去術は施行せず全身管理を行う事とした。PGE1投与及び輸液負荷・利尿により虚血の悪化には至らず(max CPK4421),発症から76日目に下肢バイパス術を行い救肢を得る事が出来た。症例2は75歳男性。他院にて2度に渡り急性動脈閉塞に対し血栓除去術(経カテーテル)を施行されるも再々閉塞があり再々閉塞後一日経過して当院紹介。右膝窩動脈以下の閉塞を認め,感覚障害は軽度であったが採血上のCPKは2343と上昇していた。MNMSの発症が危惧された為,本人と相談の上で血栓除去術は施行せず全身管理を行う事とした。PGE1投与及び輸液負荷・利尿により虚血の悪化には至らず(max CPK4779),現在下肢バイパス術を予定している。いずれの症例も来院時のCTにて閉塞性動脈硬化症が背景にあると思われる側副血行路の存在を認めており,急性期に血栓除去を施行せずとも救肢が得られたと思われた。【まとめ】閉塞性動脈硬化症を背景に持つ急性動脈閉塞症においてMNMSの発症が危惧される症例で保存的加療の後に救肢が得られた。