第55回日本脈管学会総会

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一般演題(ポスター)

EVAR1

Thu. Oct 30, 2014 3:20 PM - 4:02 PM 第7会場 (第2練習室)

座長: 佐伯宗弘(鳥取大学医学部附属病院 心臓血管外科)

3:20 PM - 4:02 PM

[P-8-7] EVAR時に瘤内塞栓を行うも,IMAからのType II endoleakによりreinterventionに至った1例

森なお子1, 小泉淳1, 志村信一郎2, 明神和紀1, 伊藤千尋1, 原拓也1, 関口達也1, 今井裕1 (1.東海大学 画像診断科, 2.東海大学 心臓血管外科)

Keywords:type II endoleak, perigraft embolization

症例は81歳女性。腹部大動脈瘤に対し2011年10月にEVAR(Excluder)が施行された。その際,予防的IMAコイル塞栓術を試みるも,IMAの分岐が急峻にて断念した。主に腰動脈の閉塞を企図し,25% NBCA-Lipiodol mixture 10mlによる瘤内塞栓を行った。IMAの血流は残存していた。経過中,IMA由来のType IIendoleak(EL2)による瘤径の増大を認めたため,2013年10月,reinterventionを行った。右大腿動脈からの経動脈的アプローチにてSMA,LCAを経由しIMAから瘤内へ到達し,33% NBCA-Lipiodol mixture 1.0mlにて瘤内追加塞栓,およびIMA起始部のコイル塞栓を行い,EL2は消失した。その後,瘤径の増大なく,経過観察中である。2008年8月から2013年6月まで,当施設ではIMAの開存する59/90例においてEVAR時に予防的IMAコイル塞栓術が試みられ,51例で成功しその手技的成功率は89%であった。後方視的検討では予防的IMAコイル塞栓術のみではEL2の有意な抑制因子とはならなかった。この原因として腰動脈の関与が大きいと考える。近年,予防的瘤内塞栓の有用性が報告されている。本症例のごとく,瘤内塞栓(による腰動脈塞栓)のみでもEL2の抑制効果が十分でない可能性があり,また治療的観点からはEL2の経動脈的治療はその複雑な血管構造から苦慮することが多い。そのため,EL2の予防として,IMAコイル塞栓と瘤内塞栓の両者を行うことが望ましい可能性がある。