第55回日本脈管学会総会

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一般演題(ポスター)

EVAR1

Thu. Oct 30, 2014 3:20 PM - 4:02 PM 第7会場 (第2練習室)

座長: 佐伯宗弘(鳥取大学医学部附属病院 心臓血管外科)

3:20 PM - 4:02 PM

[P-8-6] EVAR術後瘤径拡大のため人工血管置換術を施行した3例

林田直樹, 浅野宗一, 鬼頭浩之, 大場正直, 椛沢政司, 弘瀬伸行, 西野貴子, 末田智紀, 松尾浩三, 村山博和 (千葉県循環器病センター 心臓血管外科)

Keywords:EVAR, sac enlargement

【はじめに】2007年から2013年までの間に当院で行われたEVAR症例138例の中で瘤径拡大のため開腹術に移行した3例を報告する。(症例1)80歳男性。径60mmの腹部大動脈瘤(AAA)に対してEndurantで治療。1年後に瘤径73mmに拡大した。CTやDSAではエンドリークを認めなかった。エコーにてステントグラフトの分岐部にtype IIIと思われる小さなエンドリークを認めた。結局術後17か月に他院でY型人工血管置換術を受けた。術中所見ではエコー所見通り,分岐部のステントを固定する縫合糸の周囲からの少量の出血を認めた。(症例2)は74歳男性。径53mmのAAAに対してEndurantで治療。CTにてエンドリーク認めなかったが瘤径は60mmに拡大した。このためステントグラフトの移動などの危険性も考慮し,術後21か月に人工血管置換術を施行した。術中所見では瘤内に出血を認めなかった。Endotensionが疑われた。(症例3)は65歳男性。2011年に径52mmのAAAに対してExcluderで治療した。下腸間膜動脈(IMA)からのtype IIエンドリークを認め,瘤径が60mmに拡大したため,術後32カ月にIMAのコイル塞栓術を試みたが不成功に終わった。このため術後36か月に人工血管置換術を施行。術中所見ではIMAからのエンドリークのみであった。【まとめ】この3例の術中所見から,EVAR術後瘤径拡大を認める症例では漏れのわずかなものが多く,必ずしも人工血管置換術が必要かどうか疑問であった。たとえば瘤を開けて,エンドリークを探し,その部分を修復し,再び瘤の切開部を閉鎖する方法も考慮すべきと考えられた。