第55回日本脈管学会総会

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一般演題(ポスター)

EVAR2

Thu. Oct 30, 2014 4:02 PM - 4:38 PM 第7会場 (第2練習室)

座長: 近藤俊一(いわき市立総合磐城共立病院 心臓血管外科)

4:02 PM - 4:38 PM

[P-9-5] ステントグラフト脚閉塞の一例

飯田卓馬1, 藤村博信2 (1.市立豊中病院 循環器内科, 2.市立豊中病院 心臓血管外科)

Keywords:AAA, limb occlusion

症例は60歳男性。2011年9月CTで最大短径55mmの腹部大動脈瘤を指摘され当科紹介となり,同年11月にステントグラフト内挿術(Zenis)を施行した。両側の総腸骨動脈も拡大を認めており,両側の内腸骨動脈に対しコイル塞栓後,メインボディを留置し,両側の脚は外腸骨動脈をlandingとした。最終造影にてエンドリークを認めず,術1週間後のCTでも脚の狭窄や屈曲は認めなかった。術後6か月,1年のCTで瘤の拡大を認めず経過良好であった。2013年2月頃から右下肢の疼痛を自覚するようになり,当初腰椎ヘルニアの症状と考えられていたが,改善認めないため同年4月当科紹介となった。CT上右の脚閉塞を認め,同月手術予定としたが,発症時期が不明であり血栓除去あるいはバイパス術の予定とした。4Fr Fogartyカテーテルを用いて血栓除去を行ったところ容易に血流再開を得られたが,造影を行っても外腸骨動脈やステントグラフトに狭窄や屈曲を認めなかった。脚の入口部に血栓によると思われる高度狭窄を認め,同部位に対しバルーン拡張及び5Fr Fogartyカテーテルでの血栓除去を行ったが,狭窄残存したため8mm×4cmのPalmazステントを留置し良好な開大を得た。造影にて末梢塞栓の無いことを確認し,術を終了した。以降は脚の再閉塞を認めず経過良好である。発症時期不明のステントグラフト脚閉塞に対し,Fogartyカテーテルによる血栓除去,ステント留置で治療し得た一例を経験したので報告する。