第55回日本脈管学会総会

講演情報

会長要望演題

保険収載された内視鏡下筋膜下不全穿通枝切離術1

2014年10月31日(金) 09:00 〜 09:40 第2会場 (アイシアター)

座長: 八杉巧(愛媛大学医学部附属病院 心臓血管外科)

09:00 〜 09:40

[PR-14-3] 内視鏡下筋膜下不全穿通枝切離術(SEPS)を安全に行うために

新原亮1, 春田直樹2, 小川尚之1 (1.三菱三原病院 外科, 2.たかの橋中央病院 血管外科)

キーワード:SEPS, IPV

SEPSは平成21年5月より先進医療に収載され平成26年4月より保険適応となった。我々がこれまで行ってきたSEPS手術の経験からSEPS手技を安全に行うための方法をまとめてみた。1 術前検査 1)duplex scanにてIPVの位置をマーキングする。立位と臥位で位置がずれることもあり,可能であれば臥位でマークをつけることが望ましい。2)First Portの位置をマーキングする。エコー下でvarixや皮膚病変のない部位選びコンパートメントの境に近すぎない(少なくとも2cm程度離す)ところをマーキングする。2 手術 1)体位:反対側の下肢が内視鏡や鉗子操作のじゃまにならないように開脚位にしたり反対側の下肢を下げたりする。必要に応じて術側の下肢に枕を用い屈曲させる。2)First Portの挿入:あらかじめマークした部位に5mmの皮膚切開を置く。ここに内径5mmのENDOTIPを右回転でねじ込み内視鏡を入れて観察しながらさらにねじ込む。最初に脂肪が見え次に白い筋膜が見えこれを破ると下に筋肉が見える。筋膜と筋肉が半々のところで送気を開始する。3)Working Spaceの確保:First Portから挿入した内視鏡でできるだけ広範に筋膜下を剥離しworking spaceを確保しておく。4)Second Portの挿入:内視鏡の光で静脈が透見できるので静脈を避けてsecond portを挿入する。5)IPVの切離:切離するIPVが複数ある場合,順番は逆流の強いもの,末梢側にあるものから行う。出血させるとオリエンテーションがつかなくなるので出血させないことがこの手術において最も重要なことである。IPVを切離するときはできるだけ筋膜側で切離する。