09:00 〜 09:40
[PR-14-4] SEPSのコツ
キーワード:SEPS, varicose veins
【はじめに】内視鏡下筋膜下不全穿通枝切離術(以下SEPS:)は,2014年4月1日付けで保険収載され,今後C4b-C6症例に対する新たな治療選択肢として,普及が見込まれ,新たに手技習得を目指す施設が増えることが予想される。そこで,今回SEPSの「コツ」と言える手技の紹介を目的とした。【手術器具】SEPSに用いる手術器具は総て内視鏡下胆嚢摘出術に用いられるもので,特別な手術器具は必要としない。IPV切離のenergy deviceとして我々は超音波凝固切開装置を用いているが,その他にLigaSure,THUNDERBEATなども有用である。【操作腔確保】我々の行っているSEPSでは炭酸ガス注入でworking spaceを確保するが,その圧は通常8-12mmHg,最大15mmHgとしている。これ以上の圧では皮下気腫を生じ,かえってworking spaceを狭める結果となる。【術中出血】複数のIPVを処理する際は,末梢側より切離を行い,血液の流れ込みによる内視鏡視野妨害を予防する。また,出血部が鉗子で把持止血できない場合は,皮膚表面よりの用手的圧迫により止血を図る。【IPVの同定困難】術前エコーでマーキングしたIPVが内視鏡下に確認できない場合,浅後方筋コンパートメントと深後方筋コンパートメントの境の筋膜切開により,確認できることが意外と多い。【足底神経障害】内踝部より末梢にあるIPVを内視鏡下に切離すると,足底神経を損傷し,術後足底部の知覚鈍麻を来すことがある。【結語】下肢静脈瘤を専門とする施設では,必要な症例にSEPSを選択肢として提示できることが望ましい。