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[PR-15-1] 穿通枝の解剖学的特徴より考える不全穿通枝へのアプローチ法
キーワード:SEPS, Perforator
【目的】不全穿通枝(IPV)処理の方法として本邦では内視鏡下筋膜下不全穿通枝切離術(SEPS)が一般的であるが,海外では外来治療が可能なレーザーデバイスを使用するPercutaneous Ablation of Perforators(PAPS)や硬化剤を使用するUltrasound-guided Sclerotherapy(UGS)によるアプローチが行われ始めている。IPVへの治療を考える場合,いかなる手技で治療するにせよ治療対象となるIPVの性状を正しく評価する事は必須であり,かつ適切なアプローチ法を選択する上での重要なポイントとなる。その解剖学的特徴より考えるとIPVの性状は常に一定ではなく,伴走動脈が存在する場合や複数本並んで走行している場合もある。今回SEPSにおいて直視下に確認し得たIPVの性状より,いかなるアプローチ法が安全で適切であるかを考える。【対象・結果】2009年4月より2014年6月までに当科で施行したSEPS95例中,IPVに伴走動脈を24例(25%)に認め,IPVがV字状に分岐した形で存在していた症例を7例(7%)に認めた。これらのIPVは全て直視下に確認でき,筋膜下にて処理できた。【考察】上記の様な性状のIPVをPAPSやUGSでアプローチする場合,1.局所麻酔を一度注入してしまうとIPVが見えにくくなる(複数本ある場合は困難) 2.どの部位でAblationするのかが難しい(皮膚に近いと皮膚損傷,深くなると神経損傷のリスク) 3.DVTのリスク 4.伴走動脈に硬化剤注入していまい下肢切断に至った報告例,等といった問題点に留意しなければならなくなる。【結語】外来治療で完結できる手技も利点は多いと思われるが,IPVの解剖学的特徴より考慮するとその安全性,確実性に関しては内視鏡下のアプローチがより高いと思われた。