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[PR-15-2] 下肢静脈瘤に対する内視鏡下筋膜下不全穿通枝切離術(SEPS)―One Port法とTwo Port法の特徴について―
キーワード:SEPS, IPV
【緒言】下肢静脈瘤の不全穿通枝静脈(IPV)に対するSEPSが,保険収載されたことから,広く普及してゆくと予測されている。このSEPSの手技には,2つの様式が報告されている(OPS:One Port SEPS,TPS:two Port SEPS)。そこで我々は,OPSとTPS両方の手術経験からそれぞれの術式の特徴を報告する。【対象】1998年4月から2014年3月までに当科で経験したOPS:163例211肢中,手術時間や処理IPV数記載不明例などを除く147例194肢と,TPS:23例28肢(2009年から導入)を検証した。【手術概要】OPS:内視鏡を備えたSEPS専用金属筒(OLYMPUS社製)から超音波凝固切開装置を挿入しIPVを切離した。視野確保に,炭酸ガスは不要である。TPS:内視鏡用と鉗子用の2つのポートで行う。筋膜下を剥離し,CO2を送気して視野を確保し切離する。【結果】1肢平均内視鏡手術時間:O群19.1分,T群24.8分。1肢平均切離IPV数:O群2.5本,T群3.4本であった。C4-6の重症例は,OPS群95肢(51.9%),TPS群20肢(71.4%)であった。肺塞栓症など重篤な合併症は認めなかった。【考察】TPSは,内視鏡外科用内視鏡が流用できるため器具の支出は少なく済み新たな内視鏡も速やかに導入できる。しかしポート部からのガス漏れや鉗子と内視鏡の干渉などから,手術が断念されることもあり,技術習得が重要となる。OPSは,直視下に器具を筋膜下に確実に挿入でき,気密の必要もないため,導入初期から手術完遂は容易と考えられた。しかし内視鏡を含む専用装置で器具が高価となる。【まとめ】それぞれの術式の特徴を理解して鏡視下にIPV切離を完遂することが重要と考える。