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[PR-2-3] 高齢者の破裂性腹部大動脈瘤に対する緊急ステントグラフトの治療経験
キーワード:ruptured AAA, Stentgraft
破裂性腹部大動脈瘤に対する緊急ステントグラフト治療の有用性につき,最近経験した高齢者3例をもとに検討した。【症例1】87歳男性,腹痛にて緊急受診した。CTにて右総腸骨動脈瘤破裂(径65mm)と診断,右外腸骨動脈は慢性閉塞していたため,右内腸骨動脈のコイル塞栓後,腹部大動脈~左総腸骨動脈にかけてExcluder Legを留置し,左大腿-右大腿動脈交叉バイパス術を追加した。【症例2】75歳男性,腹痛と意識レベル低下にて救急搬送された。CTにて破裂性腹部大動脈瘤(径55mm)と診断,ショックバイタルのため,occlusion balloonを瘤上大動脈に留置し血圧を維持した後,腹部大動脈~両側総腸骨動脈にステントグラフトを留置した。留置後も腹部膨満が極めて高度で,大動脈造影にてType II endoleakによる破裂孔を通じた腹腔内出血の持続と診断し,緊急開腹した。多量の血腫除去後,破裂孔を同定し縫合閉鎖した。術後ACSを危惧しOpen Abdomenにて管理し翌日閉腹した。【症例3】89歳女性,腹痛と意識レベル低下にて救急搬送された。CTにて破裂性腹部大動脈瘤(径90mm)と診断,ショックバイタルのため,アンギオ室でocclusion balloonを留置し,腹部大動脈~両側総腸骨動脈にステントグラフトを留置した。全例術後経過良好で独歩退院した。【結語】破裂性腹部大動脈瘤では,ショックバイタルの場合,まずocclusion balloonによる出血コントロールが肝要である。緊急ステントグラフト術は開腹に比べ低侵襲であり,特に高齢者において極めて有用であると考えられた。