腹部大動脈瘤破裂に対するステントグラフト治療2

[PR-3-5] 破裂性腹部大動脈瘤に対する湘南プロトコールの有用性―神奈川県ステントグラフトネットワークによる多施設共同研究―

^〇荻野秀光¹, 池谷佑樹¹, 磯貝尚子¹, 渡部和巨¹, 林忍², 渋谷慎太郎², 秋好沢林³ (1.湘南鎌倉総合病院 大動脈センター, 2.済生会横浜市東部病院 血管外科, 3.平塚市民病院 外科)

Keywords:rAAA, rEVAR

【背景】湘南プロトコール(SRAP)は，2006年にMethaらにより提唱された破裂性腹大動脈瘤(rAAA)に対する緊急ステントグラフト(rEVAR)を第一選択としたプロトコールを参考に2010年より湘南鎌倉総合病で実践している治療戦略である。湘南鎌倉総合病院では，SRAP導入によりrAAAの早期治療成績が有意に改善した。【目的】神奈川県のrAAA診療を担う他の基幹病院におけるSRAPの有用性を検討する。【方法】神奈川県ステントグラフトネットワークに参加する施設中，rEVARが可能である一定の条件を満たし，院内倫理委員会の承諾を得られた3施設において，2012年2月から2014年5月の期間に連続して行った全rAAA手術例に対してSRAPを実践し，その早期治療成績を検討した。【結果】rAAA手術69例，平均年齢78.9±10.7，女性13例(18.8％)，来院時に血圧80nnHg以下のショックが30例(43.5％)であった。rEVAR64例(92.8％)，開腹5例(7.2％)，rEVARからの開腹移行1例(1.4％)であった。術後30日死亡14例(20.3％)，在院死亡17例(24.6％)で施設間に有意差を認めなかった。【結論】SRAPは単施設のみならず多施設に於いても有用な治療戦略である。