第55回日本脈管学会総会

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会長要望演題

腹部大動脈瘤破裂に対するステントグラフト治療2

Thu. Oct 30, 2014 9:40 AM - 10:30 AM 第2会場 (アイシアター)

座長: 中井幹三(独立行政法人国立病院機構 岡山医療センター 心臓血管外科)

9:40 AM - 10:30 AM

[PR-3-4] 腹部大動脈破裂に対するEndovascularAorticRepairの検討

五味渕俊仁 (信州大学附属病院 心臓血管外科)

Keywords:AAA, EVAR

【背景】当院ではrAAAに対rEVARを第一選択とし手術適応を検討し施行している。今回,rAAAに対しrEVARを施行した症例について検討し,開腹人工血管置換術を施行した症例(OSR)と比較した。【対象】当院で2010年4月から2014年5月までにrAAAに対して40例手術を施行した。そのうちrEVARを施行した22例(55.0%)とOSRを施行した18例(45.0%)を対象とした。【結果】周術期死亡はrEVARが3例(13.6%)で,OSRは1例(5.6%)であった。在院死亡はrEVARが4例(18.1%)で,OSRは2例(11.1%)であった。周術期死亡および在院死亡では二群間に有意な差は認めなかった。救命し得た症例での平均入院日数は18.2日:40.4日と有意にrEVAR群が短かった(p=0.02)。rEVAR施行中に開腹手術へ変更した症例はなかった。観察期間を前半期(11例)と後半期(11例)に分けて比較検討すると,局所麻酔下rEVARが1例:5例と後半期で多かった。【結語】rEVAR施行例の在院死亡率は19.0%であった。OSR群に比し入院期間は有意に短かった。rEVAR施行の際,術中に開腹手術に移行する例は6%と言われているが,当科ではrAAAの58.3%にrEVARを施行し,術中に開腹手術へ移行した症例を認めなかった。適応を慎重に選択することにより,rEVARはより有用な治療選択肢となる。