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[PR-8-1] 浅大腿動脈にステントを留置した際の下肢屈曲に伴う動脈の変化と末梢留置位置の検討
キーワード:hiroshima, onomichi
【目的】浅大腿動脈~膝窩動脈の血管内治療は,下肢屈曲に伴う動脈の屈曲の影響でステント破損や内膜肥厚などが起こりやすいとされている。そこで,この領域にステント留置後下肢を屈曲して造影し,動脈の変化とステントの末梢留置位置について検討した。【対象/方法】対象:2012年7月~2013年8月に,膝窩動脈に有意狭窄がない浅大腿動脈末梢側の閉塞性病変に対しステントを用いて治療した9例(うち慢性閉塞:5例)で,使用ステントはSMART CONTROL:6例,Misago:3例であった。方法:同側総大腿動脈からアプローチ,ステント留置,拡張後に下肢伸展,ガイドワイヤーを残した状態で造影した。その後,ガイドワイヤーを抜去,下肢を屈曲(膝関節:最大屈曲(平均122度),股関節:外転/外旋)して造影し,浅大腿動脈~下腿の動脈の変化を調べた。【結果】全例残存狭窄無く治療でき,下肢伸展時のステント末梢留置位置は,膝関節面から5~10cm:1例,10~15cm:6例,15~20cm:2例であった。下肢屈曲による造影では,全例で膝窩動脈が高度に屈曲するのが観察された。膝関節面から15cm以上に留置した2例は,下肢屈曲時もステント末梢に動脈の直線部分が存在した。膝関節面から5.5cmの位置までMisagoステントを留置した1例は,膝関節面から約10cmの位置でステントとともに動脈が屈曲していた。膝関節面から10~15cmまで留置した6例は,ステント末梢から動脈の屈曲が観察されたが,その中でステント直後に動脈の限局的な屈曲が観察された1例が16か月後に同部で閉塞した。【結語】下肢の屈曲で浅大腿動脈末梢~膝窩動脈は高度に屈曲するため,この領域までのステント留置は慎重であるべきである。