第55回日本脈管学会総会

講演情報

会長要望演題

心臓大血管に対するリハビリテーション

2014年10月30日(木) 14:10 〜 15:00 第3会場 (202会議室)

座長: 本多祐(兵庫県立姫路循環器病センター 心臓血管外科), 林富貴雄(大阪府立急性期総合医療センター 血管内科)

14:10 〜 15:00

[PR-9-2] 2週間の高強度有酸素運動で動脈の硬さは変化するか?

田中みどり1, 菅原基晃1, 小笠原康夫2, 仁木清美3, 梶谷文彦4 (1.姫路獨協大学 医療保健学部, 2.川崎医科大学 医学部, 3.東京都市大学 工学部, 4.川崎医療福祉大学 医療技術学部)

キーワード:arterial stiffness, exercise

【目的】中等度強度の有酸素運動(1回30分,週2回)を8週間継続して行うと,拍動による動脈直径の変化率が有意に増加し,動脈の硬さの指標が有意に低下することは,既に報告した[1].運動強度と回数を高め,継続期間を2週間に短縮した場合に起こる変化を調べるのが本研究の目的である【方法】健康成人27名(男性20名,年齢20-22歳)を対象とした。安静仰臥位にて左総頸動脈の拍動による直径変化を超音波エコートラッキング法にて測定し,最大直径Dsと最小直径Ddを求めた。同時に,上腕動脈の最高血圧Psと最低血圧Pdを測定し,総頸動脈の圧力ひずみ弾性率Ep = (Ps - Pd)/[(Ds - Dd)/Dd]およびスティッフネス・パラメータβ = ln(Ps/Pd)/[(Ds - Dd)/Dd]を求めた。トレッドミルの負荷強度をpeakVO2の70%に設定し,1回30分,週に5回の運動を2週間行った後,運動前と同様の計測を行った。統計はTwo-way ANOVAの後にBonferroni posttestを用いた。【結果】運動前後で脈圧(Ps - Pd)のには有意の変化はなかったが(%変化率+1.5%),直径変化率(Ds - Dd)/Ddは有意に変化した(+10.2%,P < 0.01)。これにより,Epの変化率は-7.7%,βは-6.0%となった。【結論】2週間の高強度の運動により,動脈直径変化率は有意に増加し,動脈の硬さの指標であるEpとβを低下させた。【参考文献】1.Tanaka M et al.J Med Ultrason 2013;40(2):119-124.