9:00 AM - 10:30 AM
[SY-1-3] Vascular teamによる重症虚血肢の治療―特に血管外科と形成外科による集学的治療―
Keywords:free tissue transfer, skin grafting
【目的】重症虚血肢(CLI)に対する治療の目標は肢切断を回避することであり,当院では内科,形成外科,皮膚科,また臨床工学技士とも協力し,月に1回のFoot and Leg Conferenceを行い,CLI症例に関して協議している。また術前評価として,CVTが虚血重症度評価や血管エコーを実施することにより短時間で治療方針決定が可能となっている。これにより血行再建術をはじめ,局所治療として皮膚移植,全身治療として高気圧酸素療法やLDL吸着療法,さらには血管再生療法や,救肢後のフットケアについてVascular teamとして診療に取り組んでいる。今回は,特に形成外科と連携して集学的治療を施行した症例について検討した。【対象および方法】対象は当科で2007年1月から2014年3月までに,潰瘍,壊疽を有するCLI症例に対し,当科で血行再建術を施行した症例は165例194肢であった。そのうち,形成外科と連携して治療を施行した24例26肢について検討した。【結果】男性22例,女性2例であり,年齢は平均65歳(47~84歳)だった。Rutherford分類では5群:10肢,6群:16肢であった。血行再建術としてはバイパス手術を含む外科的血行再建術:17肢,血管内治療:15肢(重複あり)を施行した。形成外科と連携し,組織充填術として,植皮術:23肢,遊離筋皮弁術:11肢(重複あり)を施行し,全例で救肢することができた。【結語】当科における近年の救肢率の向上に関してはVascular teamによる集学的治療を行っていることが寄与していると考える。広範な組織欠損を有する症例に対する救肢は困難とされているが,積極的な血行再建術に加え,形成外科的組織充填術を組み合わせることにより,救肢が可能であることが示された。