弓部大動脈瘤に対するステントグラフト治療 (chimney vs debranching)

[SY-4-4] 弓部大動脈瘤に対してdebranchTEVARは有用か

^〇吉武明弘, 蜂谷貴, 川口新治, 北原大翔, 灰田周史, 林可奈子, 稲葉佑, 山川輝記, 川口聡, 志水秀行 (慶應義塾大学医学部 外科(心臓血管))

Keywords:debranch TEVAR, staged TEVAR

【背景】弓部大動脈瘤にたいするTotal debranch，二期的TEVAR，2debranch TEVARを比較検討する。【方法】期間は2010年3月～2014年6月，Total debranch13例(男/女13/0，74±10歳)，二期的TEVAR30例(男/女27/3，73±7歳)，2debranchTEVAR 28例(男/女24/4，77±7歳)。【結果】在院死亡をTotal debranch1例，2debranch1例，二期的TEVARで二期目待機中に1例。手術時間(以下中央値，total debranch/ 二期的TEVAR/2debranch: 398/390/239分)，挿管期間(1/1/0日)，入院期間(27/16/12日)で2debranch TEVARは他の術式に比べ有意に短かったが，Total debranch TEVARと二期的TEVARには有意差を認めなかった(p=0.96/0.55/0.13)。術後typeIあるいはtypeIIIエンドリークは0例/1例/3例であり2debranchに多い傾向にあった。術後脳梗塞は3例/0例/4例であり二期的TEVARにおいて有意に発症率が低かった(p=0.023，0.032)。【結語】2 debranch TEVARはTotal debranchや二期的TEVARに比較すると低侵襲といえるが，二期的TEVARと比べTotal debranchの低侵襲性は認めなかった。術後のエンドリークの低さや術中心停止を必要としない点などで有用な点もあると思われるが，二期的TEVARに比較して優位性は認めなかった。