第55回日本脈管学会総会

講演情報

脈管専門医教育セッション

脈管専門医教育セッション

2014年10月31日(金) 16:00 〜 18:00 第1会場 (ホール)

座長: 林宏光(日本医科大学 放射線医学), 宮田哲郎(山王病院・山王メディカルセンター 血管病センター)

16:00 〜 18:00

[VAS-3] 3.大血管領域における死後画像(オートプシーイメージング(Ai))

兵頭秀樹, 渡邊智, 井上裕匡 (札幌医科大学医学部法医学講座)

 死後画像(オートプシーイメージング(Ai))が広く利用されるようになり、院内死亡のみならず医療機関外死亡に対する画像利用も始まっている。具体的には、CPAOA例では院内搬送後に病院内装置を用いて撮像が、専用装置がある施設では検案や解剖前に死後画像が撮像され利用されている。事例を重ねることにより現在までに様々な疑問点が経験されており、その解明が進められている。心大血管領域における死後画像診断では、様々な死後変化が経時的に生じることについての集学的アプローチが未だ不十分であり画像情報を十分読み取れていない。また、臨床画像読影技術/知識がそのままでは利用できないことについての認識が欠けており、誤った判断に陥る可能性に気づいていない点が挙げられる。
 死後画像(Ai)で観察される死後変化としては、血圧の平衡化のため血管壁の収縮や拡張・血管内の就下や凝血/流動血形成・血管内ガス・生前に投与されていた造影剤による濃度変化が挙げられる。これらは通常の死後経過で生じるが、救命処置の種類によってさまざまな修飾をうけるため読影に際しては注意が必要となる。
 死後画像(Ai)を撮影するにあたっては、いまだに“エンゼルケア”が実施されたのちに実施している施設もあり、重要な情報を失っている可能性がある。院内事例では留置されていたカテーテル類は抜去せず撮像することが重要であり、医療者側が患者側に正しい処置を行っていた唯一の証明となりうる場合があることを忘れてはならない。また、CT等を撮像することは、生前(経過)の画像と同一モダリティで比較することを可能とするため、経過の比較が容易となり、問題点の有無を整理することに役立つ。
 本講演では、特徴的所見を呈する事例を供覧し、死後画像読影ガイドラインをもとに解説を進めてゆく。聴講される脈管専門医諸兄姉の一助になれば幸いである。
提示予定事例
・大動脈解離
・心タンポナーデ
・肺塞栓
・医原性