短繊維補強コンクリート（材料）Ⅱ／新材料・新工法（材料）Ⅰ

[1041] 初期ひび割れを通じて海水作用を受ける超高強度繊維補強コンクリートの力学特性と組成変化

座長(土木)：小澤満津雄
座長(建築)：森田武
講演者：河野克哉¹, 川口哲生², 橋本勝文³, 横田弘³ (1.太平洋セメント中央研究所 第２研究部 2.太平洋コンサルタントコンクリート技術部 3.北海道大学工学研究院)

キーワード：Corrosion, Crack, Flexural Property, Seawater, Ultra High Strength Fiber Reinforced Concrete, Unhydrated Cement, ひび割れ, 曲げ特性, 未水和セメント, 海水, 腐食, 超高強度繊維補強コンクリート

超高強度繊維補強コンクリート(以下，UFC)は，高強度，高靭性および高耐久性を有するものの，ひび割れを生じた場合には鋼繊維の腐食によって力学性能が低下する懸念がある。本研究では，初期ひび割れ幅が異なるUFCを人工海水に浸漬した後の力学特性ならびに組成変化について検討した。その結果，水結合材比がきわめて低いUFCの場合は，内部で複数の微細な初期ひび割れを生じているが，3年間ほど人工海水に浸漬した後でも曲げ耐荷性能が低下しないこと，UFC内部に豊富に含まれる未水和セメントが海水と遅れて反応することでひび割れを自己的に閉塞する効果があることなどがわかった。