[2230] 塩害により著しく劣化した実橋から切り出した鉄筋コンクリート桁の載荷実験と残存耐力の試算
キーワード:deteriorate, loading static test, residual capacity, salt damage, 劣化, 塩害, 残存耐力, 載荷実験
本論文は,厳しい塩害環境で約56年間供用された鉄筋コンクリートT桁(以下RCT桁と示す)橋の撤去に際し,桁を切り出して静的載荷実験を行い,残存耐力がどの程度あるかについて研究した。対象とした桁は劣化の程度が大小の中間桁,劣化の進んだ鉄筋コンクリート製の高欄を有する側部桁である。その結果,静的な残存耐力は著しい劣化状況の桁であっても鉄筋コンクリート梁の計算が適用でき,劣化が進み鉄筋とコンクリートの付着が完全に切れている状態の場合には,桁の外側の鉄筋が有効に働かない場合があり,耐力が低下するが,コンクリートが剥落していない桁は,概ね設計時に想定した耐力は残存すると考えられる。