[1178] 示差熱分析の解析方法がセメントペースト中のCO₂固定量の算出値に及ぼす影響
キーワード:CO2固定量、示差熱分析、炭酸カルシウム、無機炭素、炭酸化、amount of carbon dioxide、differential thermal analysis、calcium carbonate、inorganic carbon、carbonation
セメントペースト中のCO2固定量の評価には,一般に示差熱分析(TG-DTA)が用いられる。本研究では,この分析によって得られるTG-DTA曲線の解析方法の違いが,算出されるCO2固定量に及ぼす影響を検証するとともに,TOC法により評価した定量値との比較を行った。その結果,脱炭酸に起因する質量減少の開始温度を550℃とした場合に算出されるCO2固定量は,開始温度を500℃あるいは600℃とした場合と比べて1割程度相違するおそれがあること,算出されるCO2固定量が大きいほど開始温度の相違やTOC法による定量値との乖離が大きくなる傾向にあることを示した。