[2043] 躯体基部を無補強としたRC壁式橋脚の性能評価と実構造への適用
キーワード:RC壁式橋脚、耐震補強、せん断耐力、変形性能、耐震性能評価、wall type reinforced concrete column、seismic retrofit、shear capacity、deformation performance、seismic performance evaluation
河川橋脚や道路設備等と近接する橋脚では,躯体の全長にわたる耐震補強が困難な場合がある。著者らの一部は躯体基部を除く区間のみを補強する方法を提案し,載荷試験によりその有効性を示している。本稿では,無補強区間に配置されたすべてのせん断補強鉄筋の負担分を考慮することで,試験での最大せん断耐力を精度よく推定可能なことを示すとともに,耐力比を1.5程度確保することで無補強部の曲げ変形性能を十分に発揮可能なことを解析的に明らかにした。さらに提案した補強方法を実構造物へと適用した結果,実際の施工条件を考慮した上で換算弾性応答加速度で1,500gal以上の耐震性能を確保できることを示した。