JET2019

講演情報

Presentation Awards Comedical

[L1-7] Presentation Awards Comedical 1

臨床工学技士部門

2019年2月23日(土) 10:30 〜 12:00 HallL-1 (Nexus)

Moderator: 白樫 貴宏(大阪府済生会中津病院),大澤 翼(東京蒲田病院)

[CO5] Presentation Awards Comedical 1

V-A ECMO 使用時の合併症下肢虚血をBail out する工夫

小野寺 貴志

【目的】ACSなど救命のためV—A ECMOを緊急で行う際、大口径のカニューレを留置するために、急性下肢虚血を起こす(送血管 18Fr、脱血管 24Fr)。当院ではBail outの方法として順行性に4Frシースを挿入し、送血回路の側枝より血液を強制還流させている。その血流量は不明で、シースのFr数、シース長、三方活栓の有無が血流抵抗に関与すると考えたため調査した。【方法】水道水を使用し、ECMOの流量を3L送血圧80±5mmHgで固定。4Fr及び5Frシースで有効長7cm、25cm、60cmの時、それぞれバルブ有無での流量を計測した。シース出口圧は大気圧とした。【結果】バルブあり時4Fr7cm:160ml/min、4Fr25cm:124ml/min、4Fr60cm:86ml/min 、5Fr7cm:188ml/min、5Fr25cm:160ml/min、5Fr60cm:122ml/minに対し、バルブなし時4Fr7cm:208ml/min、4Fr25cm:180ml/min、4Fr60cm:108ml/min、5Fr7cm:400ml/min、5Fr25cm:316ml/min、5Fr60cm:214ml/min であった。5Fr、短いシース長、バルブなしでより多くの流量が確保された。バルブなしが流量に強い影響があった。【考察】実臨床では患者の血液粘性や血圧、末梢血管抵抗等の違いによって、側枝送血の流量は大きく変化するが、バルブなしで血流抵抗が少なければ、より多くの血液流量が得られ、下肢虚血の予防につながると考える。一方留置するデバイスは小口径で短いものがより安全である。以上から4Fr7cmバルブなしシースが最も適したデバイスと考える。【結語】バルブの有無が血流量に強く影響し、バルブを脱着できる4Fr7cmシースを使用する事で、効率の良い血流量を確保できると考える。