JET2019

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Presentation Awards Comedical

[L1-7] Presentation Awards Comedical 1

臨床工学技士部門

Sat. Feb 23, 2019 10:30 AM - 12:00 PM HallL-1 (Nexus)

Moderator: 白樫 貴宏(大阪府済生会中津病院),大澤 翼(東京蒲田病院)

[CO7] Presentation Awards Comedical 1

IVUS はPOBA 後の解離grade を予測できるか

中田 文

【背景】大腿膝窩動脈(FP)領域の血管内治療(EVT)において薬剤被覆バルーン(DCB)が使用可能となった。DCB使用の適応基準の一つに前拡張後の解離gradeが A-Cの範囲内の症例が適応となりそれ以上の解離は適応外使用となる。血管内超音波(IVUS)を用いた所見が前拡張後の血管解離の程度を予測できれば効率的なFP病変に対する治療戦略を立て易くなると考えられる。本研究では治療前の病変部IVUS所見が前拡張後の解離gradeの予測因子となりうるか検討した。

【方法】2018年2月~10月、Ruthrford2-6を有する新規FP病変(各DCB使用基準内の病変長)に対してDCB治療を前提とし、IVUSを用いて治療を施行した患者42人49肢、73病変を対象とした。評価項目はIVUSによる病変の形態学的指標および病変のバルーン血管比、バルーン拡張後の解離gradeの関連性を評価し解析した。

【結果】49肢全ての症例においてDCB使用可能であった。バルーン拡張前に施行したIVUSによる各パラメータ(プラーク性状、プラーク分布)と、前拡張後の血管造影上の解離gradeには有意な関連性は認められなかった。一方、リファレンス径に対してバルーンサイズが大きい症例はgrade Cの解離が起こりやすい結果が得られ、解離の有無は病変部最小内腔径が大きいほど解離を優位に認めた(4.63㎟ vs. 5.78㎟:P=0.033)。

【結語】IVUS所見による解離gradeを予測することはできなかった。しかしIVUSを用いた適正なバルーンサイズ、長さを選択することは重度の解離を防ぐ手段の一つとなりFP病変の効率的な血管内治療にはIVUSの使用が有効であると考えられる。