[CO10] Presentation Awards Comedical 2
Iliac EVT 時におけるESD について、PCXMC を用いた場合と臨床値の比較患者被ばく線量、組織臓器線量の把握
【目的】当院は2016年に医療被ばく施設認定を受審し、この際被ばくシュミレーションソフトPCXMCを用いて血管撮影領域の被ばく線量評価を行った。近年、診断参考レベル(DRLs)、ICRP、厚生省からの様々な医療被ばくに関する勧告が提唱され、医療従事者、患者の被ばく線量管理の更なる重要性が求められている。今回、Iliac EVT治療におけるESDについてPCXMCを用いて臨床値と比較し、組織臓器線量を評価したので報告する。【方法】(1) 下肢EVT治療用透視及び撮影パラメータを使用し、ファントムを用いて患者照射基準点(PERP)における線量測定を行った。透視に関しては、診断参考レベル(DRLs)と比較した。(2)Iliac EVT時の、透視時間、装置線量表示値、最大皮膚線量の中央値を算出した。(3) ある患者の臨床データを特定し、PCXMCを用いてincident air kerma、組織臓器線量を求め、透視、撮影ESDに関して、臨床データ(装置線量表示値)とPCXMC算出値で比較検討した。(装置線量表示値にはFOV毎の変換係数を、PCXMCより算出したincident air kermaには、BSFを乗算し、ESDを評価)【結果】患者照射基準点(PERP)における線量測定の結果、透視線量率はFOV22,32,42,48(cm)において、13,8,4,3(mGy/min)であった。透視時間(中央値)は、16.3(min)、装置線量表示値(中央値)は、297.5(mGy)、最大皮膚線量(中央値)は、286.5(mGy)であった。装置線量表示値、PCXMCより算出したESDは、各々total撮影(373.6mGy,384.1mGy)、total透視(156.4mGy,128.7mGy)であった。【結論・まとめ】PCXMCを用いた患者被ばく線量算出方法は有用であった。また血管撮影検査の患者被ばく線量管理は入射表面線量であるが、組織臓器線量を把握することにより、より多くの線量指標を把握でき、被ばく相談説明の良い根拠資料となる。今後も検査時の患者被ばく線量管理に努めていきたい。