9:35 AM - 9:45 AM
[1A6V] 経腟的膀胱腟瘻閉鎖術における逆クロソイドカーブ針の使用経験
Keywords:糸付き縫合針
先進国における膀胱腟瘻はほとんどが医原性であり、その多くを子宮全摘術が占める。そのため瘻孔の部位は、腟壁側は腟断端部、膀胱側は膀胱三角部から後三角部に生じることが多い。また、膀胱腟瘻閉鎖術においては、瘻孔周囲の腟壁と膀胱壁の間を十分に剥離し、瘻孔路を切除した後、露出した膀胱粘膜を正確かつ緊張をかけずに縫合することが重要である。当センターでは2019年の開設後からの4年間で約50例の経腟的膀胱腟瘻閉鎖術を施行した。いままで膀胱粘膜の縫合時には4-0吸収糸付きの強弯針を使用してきたが、腟断端部の奥深く狭い術野では適切な縫合操作に苦慮することがあった。そこで、膀胱粘膜縫合時に3-0吸収糸付きの逆クロソイドカーブ針(クロスソーブ™,ベアーメディック社製)を用いた。逆クロソイドカーブ針の先端は直針構造であり、持針部に向けて強弯に変化する特殊な形状である。直線的な先端によって組織への穿刺が容易であり、持針器の最低限の回転によって狭い術野でもスムーズかつ有効な運針が可能であった。この経腟手術での使用経験をもとに腹腔鏡下仙骨腟固定術でも使用したところ、前壁メッシュ固定の際に膀胱頸部側の奥深い部位での運針操作において特に有用であった。手術動画を供覧しながら、逆クロソイドカーブ針の骨盤底手術への適用について報告する。