9:00 AM - 9:05 AM
[2A3P] 当科におけるNative tissue repairの動向
Keywords:non-mesh、腟断端挙上術
【はじめに】2019年4月には欧米で経腟メッシュ中止を受け、日本でもNative tissue repair(以下NTR)を再考する傾向にある。また2022年には腹腔鏡下腟断端挙上術が保険収載され、腹腔鏡を用いたNTRも導入されていくと考える。当科でもその傾向にあり、近年のNTR術式選択の傾向について検討したので報告する。【方法】2019年から2022年に当科で行った骨盤臓器脱手術の中でのNTRの種類、傾向について検討した。【結果】観察期間に行ったNTRは2019年に18件であったが2020年33件、2021年35件、2022年60件と増加している。その中で件数の変化が大きかったものとして、子宮全摘+断端固定(Shull法)が2019年0件、2020年2件、2021年3件、2022年11件(うち5例は腹腔鏡、5例はvNOTES使用)と増加傾向であり、仙棘靭帯固定は、2019年0件、2020年1件、2021年10件、2022年14件と増加した。また、腟閉鎖も増加の傾向にあった。症例選択において、膀胱瘤のある症例にはメッシュ手術を選択することが多いが、子宮脱主体の症例では、NTRを選択することが増えていると考えられた。また仙棘靭帯固定はスーチャリングデバイスにより簡便になったため、マンチェスターに代わって増加していると考えられた。断端固定に当科ではShull法を用いており、腹腔鏡またはvNOTESで行うようになってきている。【結論】特にlevel1修復で改善が見込める症例ではNTRを選択することが増加している。今後は術後成績についても検討していきたい。