日本女性骨盤底医学会 第25回学術集会

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ワークショップ

産科管理 助産

W4 OASIS

─発生に備え、対策する─

Sun. Aug 6, 2023 2:30 PM - 4:00 PM Hitotsubashi Hall (Japan Education Center Level 3)

座長:高橋 知子、加藤 順子

3:15 PM - 3:30 PM

[2A26W] [ワークショップ OASIS] 分娩時肛門括約筋損傷後のフォローと次回分娩様式, 当院での取り組み

○高橋 知子1、末光 徳匡2、三國 和美1、安倍 美紀3、須貝 朋3、佐伯 静加4、渡邉 久貴5、草薙 洋1 (1. 亀田総合病院 消化器外科、2. 亀田総合病院 産婦人科、3. 亀田クリニック リハビリテーション室、4. 亀田総合病院 リハビリテーション室、5. 亀田総合病院 泌尿器科)

Keywords:分娩時肛門括約筋損傷、第Ⅲ度会陰裂傷、分娩後便失禁

【総合討論】質疑・コメントを表示するphoto/I000027_1.jpg
専門:肛門疾患、排便機能障害、分娩前後骨盤底機能障

認定資格:日本大腸肛門病学会専門医・指導医・評議医員
     ガスケアプローチ協会ペリネラベル認定アドバイザー
略歴:
1994年東京女子医科大学医学部卒業、東京女子医科大学第二外科入局
1997年東京山手メディカルセンター大腸肛門病センター入職
2013年亀田総合病院 入職
現在、亀田クリニック、亀田京橋クリニックで「女性のためのこう門おつうじ外来」、「産後骨盤トラブル外来」を開設

分娩時肛門括約筋損傷(OASIS: Obstetric Anal Sphincter Injuries ) を受傷した患者に対し, その後の介入や観察期間, そして次の分娩様式についてはあまり注目されてきていない. 今回, 当院でのOASIS症例への取り組みについて紹介する. 当院では4年前よりグループ施設内2か所にて分娩後の骨盤底障害に特化した外来を開設. この外来では 消化器外科医, 泌尿器科医または産婦人科医, 助産師, 理学療法士により集学的診療を行っている. 特に当院において生じたOASISについては, ほぼ全例に対して入院中からの排便管理や骨盤底リハビリテーション介入と分娩後約3ヶ月間外来での経過観察を行っている. 分娩後1ヶ月後には肛門管超音波を施行し, 分娩時所見との相違や括約筋修復が適正に施行されたかの確認も行い産科医師へフィードバックしている. OASIS受傷後, 次の分娩様式については分娩後の肛門機能を保つこと, 不必要な帝王切開を避けることを目的として海外ではいくつかのプロトコールが出されている. 海外で広く使用されているのは, 英国The Royal College of Obstetricians and Gynecologians (RCOG) から出されている第Ⅲ,Ⅳ度会陰裂傷診療に対するガイドラインであり, そこでは前回分娩時にOASISを受け、次の分娩前に便失禁症状が持続する, 肛門管超音波検査で異常所見 (肛門括約筋欠損が30度以上) または/加えて肛門内圧検査異常所見(随意収縮圧増加分20mmHg未満 )がある場合は予定帝王切開について考慮するべきであると記されている. 当院では分娩後1ヶ月の時点の肛門管超音波検査で括約筋の修復が適正にされ, 便失禁症状が無い場合は,経腟分娩可能であると伝えている.