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[2B19P] 当院におけるボツリヌス毒素膀胱内注入療法の初期治療
Keywords:難治性過活動膀胱、尿失禁手術、神経因性膀胱
目的:当院における難治性過活動膀胱(OAB)患者に対するボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法(ボツリヌス治療)の初期治療成績を検討する。 対象:2020年6月から2022年12月までに、難治性OABまたは神経因性膀胱患者15例に対してボツリヌス治療を施行した。投与後1ヵ月は治療前のOAB薬を中止し、投与前、1か月後、3か月後のOABSSと残尿量を比較した。3ヵ月後の評価が行われた症例において、OABSSの合計が3点以上低下した症例を効果良好群、それ以外を効果不良群とし、背景因子を比較した。 結果:年齢中央値は73歳。男女比は男性2例、女性13例。投薬開始からボツリヌス治療開始までの期間中央値は112か月であった。基礎疾患は二分脊椎1例、脊椎脊髄症4例、糖尿病1例、パーキンソン症候群1例。ボツリヌス治療開始までに使用した治療薬の種類の中央値は3種類であった。投与前、1か月後、3か月後のOABSS合計点の中央値はそれぞれ9点、8点(p<0.01)、5点(p<0.01)であった。残尿量の中央値は17ml、50ml(p=0.81)、24㎖(p=0.56)であった。効果良好群(n=6):効果不良群(n=4)において、年齢の中央値は73歳:73歳(p=1.0)、男性の割合は33%:0%(p=0.20)、治療までの期間中央値は61か月:112か月(p=0.63)、基礎疾患がある患者は67%:50%(p=0.60)であった。治療後に尿閉や尿路感染症を認めた症例はなかった。 結論:ボツリヌス治療は、重篤な合併症なく施行でき、多くの治療薬に抵抗性となった難治患者に対する効果を認めた。