[12-1-3-01] 残土から発生土へ-地盤工学上の課題を考える-
不適切な「残土」の取扱いによる様々な被害が各地で生じているものの、我が国には残土の取扱いを一元的に規制する法律は無く、実際に行われている残土取扱いの実務について技術上あるいは社会制度上の不備を指摘する声は少なくない。一方、我が国の社会基盤分野における重要施策として、都市インフラの再生、高速交通を含む交通施設整備、災害に対する強靭化策などが挙げられるが、ハード事業の多くで掘削土の発生を伴うことから、「合理的で適切な土の取扱い」無くして事業は立ちいかなくなっているのが現状であり、事業の財源や人的資源の削減がその傾向に拍車をかけている。また、近年激甚化している豪雨・台風や近い将来の発生が予想される大地震への備え・対応も重要であり、残土により構築された土構造物の管理が不適切・不十分な場合、その安全性が懸念される。
このような背景を踏まえ、本学会では令和3年度に会長特別委員会『「残土」の適切な取扱いに向けた地盤工学上の課題に関する検討委員会』を設置し、主に技術的な見地から方向性を示すべく、2年半の活動を行ってきた。
本特別セッションでは、国土交通省大臣官房参事官(宅地・盛土防災担当)の吉田信博氏をお招きし、令和5年5月26日に施行された宅地造成及び特定盛土等規制法(通称:盛土規制法)について、その概要についてご講演いただくとともに、本委員会の活動内容と委員会でとりまとめた提言の概要を報告する。さらに、今後の地盤工学的な課題、学会の果たすべき役割、将来に向けた提言等について総合討論を行う。
13:00~13:05 挨拶勝見 武(委員長、京都大学)
13:05~13:50 宅地造成及び特定盛土等規制法(通称:盛土規制法)について(仮)
吉田 信博(国土交通省大臣官房参事官(宅地・盛土防災担当))
13:50~14:10 会長特別委員会の活動内容と提言の報告勝見 武(委員長、京都大学)
14:10~14:30 総合討論
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