第69回日本病院学会

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シンポジウム

シンポジウム3
中小病院のこれからを考える

Thu. Aug 1, 2019 4:30 PM - 6:00 PM 第4会場 (中ホールB)

座長:
万代 恭嗣(一般社団法人日本病院会 副会長/医療法人社団大坪会 北多摩病院 病院長)
安藤 文英(一般社団法人日本病院会 常任理事/医療法人西福岡病院 理事長)

 現今のめまぐるしいほどの医療政策・制度改正、とくに病院病床数を対象とした地域医療構想や医師の働き方改革の行方そして間近に迫った消費税率増とそれらに連動する診療報酬改定など急速な変化のうねりの中、中小病院の開設者管理者にとっては落ち着かない日々を過ごされているのではないだろうか。「病院ビッグバン」とも表しえるほどのこれら政策や制度に通底するものは何であるのか。そのターゲットは我々中小病院ではないのか、との疑心暗鬼も生じよう。 
 私ども中小病院委員会では、会員の50%を占める1,200余病院(全国5,800余)の医療の質と経営の向上に資することを目的に過去20年間、この病院学会でのシンポジウム開催をはじめさまざまな活動を行ってきた。地方都市で18回にわたり開催してきた情報交換会では、各地で頑張っておられる2~3の中小施設病院長などに御登壇いただき、さまざまな努力、工夫の成果を御紹介いただいてきた。それら施設の今日の成功にいたる足跡であり、毎回盛況で開催の実は上がったものと評価する。一方で、失敗例からも学べる事は多いのではないか、との思いもある。このような観点から新しく組織された中小病院委員会は、これまでの活動を振り返りつつ、以下のように新機軸を打ち出す方針を定めた。 
即ち、外部の助言者として病院の事情に精通されている立場から、客観的で忌憚の無い御意見や知見を得ることも大いに意義のあることと考え、中小病院の今後について、誤解を恐れず、実情を踏まえた率直なお考えをお聞かせいただく場の提供である。今回は、私どもの周辺で密やかに行われている病院の吸収と合併についてその実情を知る場を設けることとした。このM&Aについては事の性質上、一切が完了してからその事実が知らされるのは仕方が無いにしても、衝撃的である。その経緯についても後に語られることも無く、いつの間にか周辺の医療提供体制や、医療環境などの変化の余波を受けたり憶測を招くこととなる。地域医療構想調整会議議論への影響もあろう。とりわけ、仲介を担う業者がいかなる理念や経緯をもってその場に登場したのか、注視すべき事ではなかろうか。更には、多くの病院を傘下に置く病院団体には、実情を知り分析し、そのエッセンスを会員施設に情報提供する役割が在るものと思われる。かかる諸点を鑑み今回のシンポジウムでは、諸事情に精通されているお二人をお招きし、まずはお話を窺う場とすることとした。「地域における中小病院の役割と収益改善方策」を医療総研株式会社代表取締役社長、公益社団法人日本医業経営コンサルタント協会 副会長 伊藤 哲雄 様に、「病院の吸収合併(M&A)の体験から」を西岡税理士事務所・行政書士事務所長、一般社団法人医業経営研鑽会会長 西岡 秀樹 様、である。時間の許す限り、質疑応答も行い、身のあるものとしたい。 
 尚、開催結果を踏まえ今後の恒常化ないし有料研修会とする途についても模索する。

[SY3-2] 病院の事業承継(M&A・親族内承継・相続対策)の体験から

西岡 秀樹1,2 (1.西岡秀樹税理士・行政書士事務所所長, 2.一一般社団法人医業経営研鑽会 会長)

昭和45年6月東京都生まれ。大原簿記学校に在籍中に簿財2科目に合格、同校卒業後一度に税法3科目に合格して税理士となり、医業経営コンサルタント会社勤務を経て平成12年に独立。
平成22年に医業経営研鑽会(平成30年に一般社団法人化)を設立し、現在まで会長を務めている。

主な著書に「税理士・公認会計士のための医業経営コンサルティングの実務ノウハウ〈第2版〉」(中央経済社)、「改定版 医療法人の設立・運営・承継・解散」(日本法令)、「医療法人の設立認可申請ハンドブック」(日本法令)などがある。

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