第69回日本病院学会

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シンポジウム

シンポジウム6
病院経営の質向上と次世代を読む新たな取り組み

Fri. Aug 2, 2019 3:00 PM - 4:30 PM 第3会場 (特別会議場)

座長:
牧野 憲一(一般社団法人日本病院会 常任理事/旭川赤十字病院 院長)
中山 和則(公益財団法人筑波メディカルセンター 筑波メディカルセンター病院 副院長兼事務部長)

 今、みなさんの病院の経営状況はいかがでしょうか。そして2035年もその地で医療を継続している絵は描けているでしょうか。2018年度診療報酬改定を受け、日本病院会をはじめとする三病院団体が合同で実施した「病院経営定期調査」では、約6割の病院が赤字運営を強いられ、特に急性期病院では「増収減益」の傾向が強いという結果が示されました。少子超高齢社会が招く社会保障費の増嵩に対応するため、税制のあり方も含めた社会保障制度改革が動き出し、本格的な医療制度改革が進み、2018年度の診療報酬・介護報酬同時改定、各都道府県の医療計画、高齢者福祉・介護保険事業計画の再編によって、病院を取り巻く流れが大きく変わろうとしています。確かに2018年度診療報酬改定は、単なる点数の増減ではなく、病院機能をどのように変えていくかという選択が迫られ、まさに地域医療構想に関連した内容が色濃く示されていたと感じます。更に「働き方改革」という大きなテーマが付加され、医療の根幹である医療従事者確保に関わり、このテーマの対応を誤ると地域医療は崩壊することも懸念されます。既に示された地域医療構想の図柄とこの新しいテーマをどのように組み合わせて自院の将来図を描くのか、非常に難しい舵取りが求められています。 
そこで、本シンポジウムでは、今回の学会テ―マ「その先の、医療へ」につながる「病院経営の質向上と次世代を読む新たな取り組み」をテーマに、社会保障制度改革の行方をみすえ、自院の機能を中長期の視点から根本的に見つめなおし、今打っておくべき布石は何かについて、その方向性を見出し、動き始めた3つの病院から事例発表をしていただきます。 
『2次医療圏の人口減少が想定以上に進むなかで、地域医療連携推進法人制度をいち早く取り入れ、地域医療のあり方をデザインしていく病院』、『公的・私的病院が競合するなか、経営管理の人材育成を行ない、地域住民をも巻き込んだ独特の手法で地域医療を担いだした病院』、『大学病院に次ぐ規模の総合病院の新築移転を機に、更に変革・進化を求めて職員が一丸となって進む組織作りを始めた病院など』、皆さんの参考となる事例発表をお願いしました。 
医療従事者の働き方改革と病院経営は、相反する一面を持ち、この調整には、いずれの病院においてもポイントは、「人」であり、この変革の時に対応できる人材を確保・育成することが、経営においても大きなキーワードとなることは間違いないでしょう。このシンポジウムでの具体的な事例発表や論議が、会場の参加者だけではなく、病院経営に携わる多くの方々の参考となることを期待しております。病院の形態・規模に係わらず、多くのご参加をお待ちしております。

[SY6-2] 地方の中規模民間病院における経営戦略と地域から必要とされるための病院づくり

山口 秀一 (社会医療法人 製鉄記念室蘭病院)

1994.3 福島大学経済学部経済学科卒業
1994.4 株式会社バレオ(現 ほくやく)入社
2002.6 札幌循環器病院 事務次長
2006.10 新日鐵室蘭総合病院(現 製鉄記念室蘭病院)企画管理課 課長
2007.3 小樽商科大学大学院経営管理学修士課程修了
2007.6 新日鐵室蘭総合病院(現 製鉄記念室蘭病院) 理事・事務長

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