第69回日本病院学会

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シンポジウム

シンポジウム9
地域で生きるを支える~ACPの取り組み~

Fri. Aug 2, 2019 3:00 PM - 4:30 PM 第4会場 (中ホールA)

座長:木村 厚(社会医療法人社団一成会 木村病院 理事長・院長)

 厚生労働省は2017年に構成し、人生の採取段階における医療の普及・啓発に関する検討会で検討し、人生の最終段階における医療のプロセスに関するガイドラインを見直した。その中でACP(Advance Care Planning)の概念が盛り込まれ、その普及・啓発が検討された。しかしACPとは何か、どうしたらいいのかという具体的な内容は、国民はもとより、医療者もまだよくわかっていないと思われる。
 ACPとは患者さんが将来、自分の考えを伝えられなくなった時に備えて、これから受ける医療や、ケアについて自分の考え、希望を家族や、医療者等に明らかにするよう話し合いをして、文書などに残す手順である。ACPは何度行っても良い。
 そこで今回のシンポジウムでは4人のシンポジストに、それぞれの立場から、現場ではどのように対処しているのか、或いはマスコミの立場からはどのように考えるのかをお話しいただき、その後皆さんで討論したいと考えている。
 シンポジストの斎藤 克子さんはリハビリ病院の医師としての立場から、慢性期病院に入院してからACPを考えるのでなく、普段かかりつけ医にかかっている段階からACPを考えて欲しいという意見である。
 次の宇都宮 宏子さんは訪問看護の立場から、エンドステージになってからの意思決定では遅いこと、患者本院が自分のことを知りながら、準備、心構えができる支援を医療者がすべきだとの意見である。
 更に岡村 紀宏さんはMSWの立場から、ACPは自分の人生について多くの方と話す文化形成の一つと考えること。形成したACPをどのように転院先に伝えてゆくかが大切と述べられる。
 最後に飯野 奈津子さんはNHKという地域の一般住民の立場から、ACPを行うだけでは絵に描いた餅となることが考えられ、医療や介護に留まらない地域ぐるみの支援体制の構築が大切であるといわれる。
 いずれのシンポジストもACPで大事な事は、本人の意思を重視することであり、それをどうやって実現するのかと言う事である。皆様の活発な御議論を待っている。

[SY9-2] 地域で”暮らす”、そして”生ききる”に伴走する医療~あなたの思いを地域でつなぎ、紡いでいく~

宇都宮 宏子 (在宅ケア移行支援研究所 宇都宮宏子オフィス)

1959年福井出身 1980年 京都大学医療技術短期大学部 看護学科卒業

病院勤務を経て、病院からの訪問看護経験し在宅ケアの世界へ入る。

1992年、京都の訪問看護ステーションで勤務、在宅サービスの管理・指導の立場で働きながら、病院から在宅に向けた専門的な介入の必要性を感じ、2002年、京大病院で、在宅療養移行支援に従事、3段階プロセスを構築。2012年4月より、『在宅ケア移行支援研究所』起業独立

医療機関の在宅移行支援、地域の医療介護連携推進、在宅医療推進事業を中心に活動

公的活動として、●京都大学医学部人間健康科学学科非常勤講師●聖路加国際医療大学臨床教授●京都府看護協会(在宅ケア推進委員、退院支援・看取り支援人材研修委員等)●東京都看護協会(退院支援強化事業委員長)

●滋賀県東近江退院支援ルール評価検討事業アドバイザー等 ●京都ACP看護研究会共同代表 ●日本ホスピス・在宅ケア研究会理事

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