[KR1-3] 臨床におけるデータ活用の現状と「その先」につなげるための課題
看護の質向上や効果的な経営管理のために、看護管理者にはデータを用いた論理的で合理的な判断が求められる。現状の課題を明らかにするため、実施した介入の成果を測定するため、あるいは何か新しい機器の購入を申請するためには、それぞれの主張を支持するデータを部署のスタッフや関連する他部門、経営層といったステークホルダーに提示する必要がある。このデータ活用を効率的に進めるためには、“Garbage In, Garbage Out(ゴミからはゴミしか生まれない)”という事態にならないように、二次利用を意図した記録の整備が重要な要素となる。また、データ収集という手段が目的化してしまわないように、忙しい現場の看護管理者が必要なデータにすぐにアクセスできる環境を整えていく必要もある。そこで私からは、情報担当看護師の立場でどのように看護管理者によるデータ活用を推進しているか、所属施設での具体的な事例をもとに紹介する。加えて、本交流集会のテーマである「その先」の看護政策につなげていくために、現場の視点から考える課題を提示し、議論を深めていきたい。