第55回(2024年度)日本看護学会学術集会

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交流集会

交流集会3 『有事にも、妊産婦へ切れ目ない支援が可能な体制を構築しよう』
~改訂版「分娩取扱施設における災害発生時の対応マニュアル作成ガイド」・「分娩取扱施設等における新興・再興感染症対応マニュアル作成ガイド」公表にあたって~

Sat. Sep 28, 2024 10:30 AM - 11:30 AM 第2会場 (シビックホール)

座長:関 正節・宮川 祐三子

講師:桑原 美保・松本 志郎・阿部 さとみ

[KR3-1] 分娩取扱施設で必要な「万が一」への備え
~熊本地震を経験して~

桑原 美保 (熊本市民病院看護部長)

周産期医療の中心的役割を担っていた当院は、2016年4月、熊本地震で倒壊の危機を迎えその役割を果たすことができなくなった。入院機能を失い、産婦人科の診療部門は休止し、助産師外来が被災後の母子支援活動を中心に業務を継続することになった。 BFH(赤ちゃんにやさしい病院:Baby Friendly Hospital)認定施設である当院は、発災時も母子を離さずに母が我が児を抱いて避難し、避難場所では母乳を与えながら救援を待った。ミルクの準備が不要なだけでなく母親の不安も軽減され、母乳育児の効果を確信した。 この経験をもとに母子支援を継続したが、分娩施設のない状況では、次第に助産師外来受診者数も減少しこの活動も休止することが予想された。ところが、新病院再建まで受診者数は減少することなく、当院以外で分娩した母子の受診でその数は増加していった。助産師外来主催の育児サークルも一定数の参加者を維持した。 私達はこの活動の中で、母子の実状や母親が求めていることを調査し、平時から行う災害の備えに通じる支援を新病院開院後も継続している。熊本地震を経験した当院の母子支援を報告する。