第55回(2024年度)日本看護学会学術集会

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口演

口演41群 周術期の看護①

Sat. Sep 28, 2024 4:30 PM - 5:30 PM 第7会場 (中会議室B1+B2+B3)

座長:中村 裕美

[口演41-6] 手術室におけるPNS®マインド評価の現状

~マインドのあるPNS®行動に繋がらない要因~

舩山 絵利子1, 中山 栄純2 (1.海老名総合病院, 2.北里大学看護学部)

【緒言】先行研究でPNS®導入の成功には、パートナーシップマインド(以下マインド)の育成が重要といわれているが、マインドのあるPNS®行動に繋がらない要因を明らかにした研究は見当たらない。その為本研究を行うこととした。【目的】手術室におけるPNS®マインド評価の現状とマインドのあるPNS®行動に繋がらない要因を明らかにし、マインドのあるPNS®行動に繋げる為の支援を検討する。【方法】調査対象は手術室看護師27名。調査内容は年間パートナー・対等・日々のペア・コミュニケーション・相乗効果について質問し、無記名とした。質問項目は5段階評価(5件法)とした。回答に対する要因については選択肢の中から、あてはまるものを複数選択(3個以内)してもらった。さらに、やや当てはまる・よく当てはまると回答した者には、その具体的内容についても記述してもらった。また、質問項目ごとに平均値と標準偏差を示し、要因については単純集計し、選択した人数の割合を算出し検討した。記述内容については似たような内容ごとにカテゴリー化した。調査紙は回収箱を設置し、募集期間後に回収した。A病院倫理委員会の承認(承認番号A-第437号)を得た後、対象者に研究目的・方法等を説明し、調査紙提出によって同意を得た。【結果】 アンケートの回収率96.2%、『マインドを理解しているか』は3.5±0.7、『今までに年間パートナーに対してパートナーシップマインドのある行動をとれなかった経験はあるか』は3.5±1.0であり、その要因は26名中14名(53.8%)が時間的猶予を選択し、次いで9名(34.6%)が人的不安(日々のペア)を選択した。平均点4.0以上となったのは、コミュニケーション・対等・日々のペアから良い影響を受けた、の項目であった。『今までに年間パートナーから良い影響を受けた経験はあるか』は3.8±1.0であり、良い影響を受けた対象者の67.0%が価値観を振り返る機会になったと回答した。回答の記述には、気づき・学び・お手本の言葉が含まれていた。平均点3.0以下は、PNS®導入による相乗効果(インシデントの減少、継続した受け持ち患者の対応、休憩時間の確保)であった。【考察】マインドのある行動がとれなかった要因に、忙しさとペアの相手によって行動に差があると考える。年間パートナーに対してはコミュニケーションを意識して行動し、対等な関係も理解できていた。さらに、良い影響を受けて価値観を振り返る経験ができていた。しかし、対象者の認識と相乗効果に関する質問結果に乖離が生じていることが示唆された。【結論】マインドのあるPNS®行動に繋がらない要因に、半数以上が時間的猶予を選択したことが明らかとなった。しかし、マインドのある行動の有無と相乗効果の乖離については明らかにできなかったため、今後さらに検討していく必要がある。